前橋市長選挙 野党側新人の小川晶氏が初当選 与党推す現職破る

事実上の与野党対決の構図となった前橋市長選挙は、無所属の新人で立憲民主党など野党側の議員が支援した小川晶氏(41)が、自民党公明党が推薦した現職を破り、初めての当選を果たしました。

前橋市長選挙の開票結果です。

▽小川晶、無所属・新。当選。6万486票
▽山本龍、無所属・現。4万6387票

立憲民主党共産党、国民民主党社民党の議員から支援を受けた元群馬県議会議員の小川氏が、自民党公明党が推薦し、4期目を目指した山本氏を破り、初めての当選を果たしました。

小川氏は、千葉県出身の41歳。

弁護士で、平成23年県議会議員選挙から、4回連続で当選し、今回、前橋市長選挙に初めて立候補しました。選挙戦で小川氏は、子育て支援策の強化やクリーンな市政の実現などを訴えました。

その結果、立憲民主党共産党などの支持層を固めたほか、いわゆる無党派層の支持を集めました。また、自民党の支持層からも一定の支持を集めました。

132年前から女性市長は初

前橋市によりますと、市が始まった132年前の1892年以来、市長には18人が就任していますが、女性は初めてだということです。

小川氏「市民の力で 前橋をよくしていきたい」

 

小川氏は、「この勝利は、市民の勝利だと思う。なんとか前橋を変えたい、政治を変えたいというみなさんの思いがたくさん集まって、新しい政治の一歩を踏み出すことができた。これからみなさんと一緒に市民の力で、前橋をよくしていきたい、新しいまちにしていきたい、新しい政治をつくっていきたい」と述べました。

現職の山本氏「私自身の力不足が一番の原因」

 

山本氏は、「私自身の力不足が一番の原因です。もうひとつは、私たちの訴えをもっと広く伝えられなかったこと、それを含めて私自身の不明をおわびしたい」と述べました。

投票率は前回の選挙を下回る

前橋市選挙管理委員会によりますと、前橋市長選挙の投票率は39.39%で、前回・4年前の43.16%を3.77ポイント下回りました。

“保守王国” 群馬の政界で…

群馬の政界は“保守王国”と呼ばれるほど自民党の勢力が強く、福田赳夫氏、中曽根康弘氏、小渕恵三氏、福田康夫氏の4人の総理大臣を輩出しました。

現在の県内選出の国会議員は、衆議院の1区から5区の5議席参議院の2議席自民党が独占していて、山本一太知事も、かつては自民党の国会議員でした。

地方議会を見ても、県議会では、49人のうちおよそ7割の33人が自民党の会派に所属し、前橋市議会では、36人のうち、保守系の会派の議員を含む7割余りの26人が、今回の前橋市長選挙で山本龍氏を支援していました。