山本一太は2016年中曽根康隆の出馬について「同時期に2議席を親子で独占する」ような前時代的状況を作るべきではない」
としていたが兄弟で2議席独占している安倍晋三については何か言ったのか。
 

安倍晋三の手下山本一太群馬県知事のブログ。詳細。

 

 
2016年3月25日

 朝の「国際機関の評価に関するPT」を終え、議員会館事務所に戻って来た。 次の日程まで少し時間がある。 すかさず、ブログの続編を書く。

 現職に代わる衆院群馬1区の自民党公認候補として「県連が中曽根康隆氏の公認申請をすることに賛成出来ない」第1の理由は、過去のブログ・シリーズで詳しく述べた。 

 簡潔に言うと、伝統ある保守王国として全国に範を示さねばならない故郷の群馬県に、「7つしかない群馬地方区の国会議員の議席のうち、同時期に2議席を親子で独占する」ような前時代的状況を作るべきではないと考えているからだ。

 中曽根弘文・県連会長が今夏の参院選挙に自民党公認候補として立候補することはすでに決まっている。 仮に県連会長の長男である康隆氏が群馬1区(小選挙区)から出馬して当選すれば、参院地方区と衆院小選挙区を「親子で占める」という状態が出現する。

 そんな意図が全くなかったとしても、(外から見れば)群馬の政治を私物化しているかのように見えてしまう。

 小選挙区制度の下では、各選挙区で当選する衆院議員は1人しかいない。 中選挙区時代とは違った重みがある。 しかも県都である前橋を含む群馬1区の代表を誰にするかという話なのだ。

 衆参ダブル選挙の可能性も囁かれている。 そうなった場合、最低でも6年間、参院群馬地方区と群馬1区の衆院議員を親子で同時にやるということになる。 

 夏の選挙では中曽根県連会長の再選のために、県連が一致協力して選挙を戦う。 同じ選挙で「衆院のほうは息子をよろしく!」みたいな構図は、ちょっと想像出来ない。(苦笑) 

 親子の同時立候補(又は6年間の2議席独占)については、(公に言うかどうかは別として)大多数の県議にも、多くの自民党員にも、群馬県民(有権者)の間にも「違和感」があると思う。

 たとえば、中曽根県連会長が康隆氏の政界進出への道を切り開くために自ら参院議員を勇退されるとか、康隆氏の他に勝てる候補者が誰も見当たらないとか、そういう事情があったとすれば、山本一太の行動は変わっていたかもしれない。  

 が、今回はこの2つのいずれのケースにも該当しない。 「親子独占」という批判を受けてまで、無理やりに現職の長男である康隆氏を群馬1区に擁立しなければならない理由が見当たらない。

 康隆氏の公認を後押し出来ない第2の理由。 それは「現職の公認を差し替える」というプロセスの中で、当事者である佐田玄一郎衆院議員の心情も斟酌すべきではないかということだ。

 前々回のブログで、「群馬1区の混乱を収拾するためには、現職に譲っていただく以外にはない」と書いた。 同時に、「最終的に佐田氏自身の理解を得ることが難しかったとしても、最後まで『名誉ある撤退』を受け入れてもらうための努力は尽くす必要がある」とも。

 同じ政治家として、佐田玄一郎氏の立場になって考えて見て欲しい。 群馬1区の現職候補差し替え問題が浮上した前回の衆院選挙で、康隆氏は前橋支部に自らの公認を申請した。 候補予定者説明会には、中曽根県連会長の事務所スタッフが顔を出していたと聞いている。 

 この件について、直接、佐田議員の気持ちを聞いたことはない。 が、佐田氏の側からすれば、「最後まで康隆氏の動きに翻弄された」と感じているはずだ。 実際、佐田議員のある有力支持者は、「うちの代議士は、康隆氏と康隆氏を応援する人たちに引き摺り下ろされそうになった」と話していた。 ご本人も同じ気持ちを抱いているのではないか。 

 加えて言うと、佐田玄一郎氏は、中曽根弘文・県連会長が県連会長として再選されるために必要な国会議員の推薦人も引き受けている。 口には出さなくても、いろいろ悔しい思いをしているはずだ。

 自分が佐田氏だったら、「自身が辞めさせられた上に、その後釜に康隆氏が座る」というのは、感情的に受け入れ難いと思う。

 仮にも群馬1区で衆院議員を30年近く務めて来た現職に退いてもらおうという話なのだ。 義理と人情の群馬県議団として、佐田議員に対する最低限の「礼節」は守ってしかるべきではないか?

 康隆氏の若武者的行動力は若さの証明だ。 しかも国会議員として活躍するための様々な資質や条件も兼ね備えている。 本人のはやる気持ちは分からないでもない。

 でも、今回のような形で出て来るのは、康隆氏自身の将来にもプラスに働かないと思う。 能力と志があれば、必ずチャンスは巡って来る。 あえて退くことで味方が増えるということもある。 これ以上は書かない。

 次回の衆院選挙において、群馬1区から現職に代わる公認候補として立候補してもらうとすれば、自分は(あらゆる条件から考えて)関東比例区の現職である尾身朝子衆院議員が最も適格だと考えている。 

 というか、(本人には一度も言ったことがないが)朝子さんにぜひ、やって欲しいと思っている。 その理由は次回のブログで。

追伸:関係者(?)の中には、康隆氏の立候補を推すひともいるようだ。 が、あまり強引にやらないほうがいい気がする。 恨みや禍根が残るのは良くない。